THE VENTURES MYSTERY TOUR 34

32.Swamp Rock[#81] 12/1969を取り上げます。

アルバム『Swamp Rock』は1969年に大ヒットしたシングル「Hawaii Five-O」(全米4位)をタイトルにしたアルバム『Hawaii Five-O』の次にリリースされたアルバムで(ジェリー・マギーがレコーディングに参加したデラニー&ボニーのアルバムのリリースと偶然にもほぼ同時期)、このアルバムから元ファイヴ・アメリカンズのジョン・ダリルがキーボードとして正式に加入したのですが、内容的にはオリジナルもカヴァーも含めてルーツ色の濃いものとなっています。アルバムのオープニングとなるジョン・ダリルのニューオーリンズ風のピアノのイントロから始まるラスカルズのカヴァー「Carry Me Back」からブルースハープも挿入した2曲目のローリング・ストーンズのカヴァー「Honkey Tonk Women」、この時期のベンチャーズサウンドの特徴ともいえる分厚いホーン・セクションを導入した3曲目のボビー・ゴールズボロのカヴァー「Muddy Mississippi Line」とジェリー・マギーのギター・プレイは冴えまくり、4曲目となるハンク・ウィリアムスのカヴァー「Jambalaya (On the Bayou)」ではルイジアナ出身のジェリー・マギーらしくアコーディオンとウォッシュボードを導入してケイジャン風のアレンジが施されており、5曲目のボブ・ボーグル&ドン・ウィルソン作のオリジナル曲「Swamp Rock」は2本のエレキ・ギターに最初と最後にブルースハープ、途中にフィドルと絡んでくる面白いアレンジとなっていて、6曲目のP・J・プロビーのカヴァー「Niki Hoeky」も地味ながらこのアルバムの楽曲中で一番ファンキーな演奏を聴かせてくれます。そして、アナログではB面となる残りの6曲はエルヴィス・プレスリーの「Suspicious Minds」、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(C.C.R)の「Green River」や「Proud Mary」の出来も良いのですが、それ以上にジェリー・マギーがドブロを弾くマイク・メルボイン&メル・テイラー作の「Catfish Mud Dance」、ケイジャン風のジェリー・マギー作の「Gumbo」、エレキ・シタールが登場するジョン・ダリル作の「Plaquemines Parish」などなかなかの出来ですが、ジャケはイマイチです。


SWAMP ROCK Liberty LST-8062 (STEREO) 1969.12




A
1. Carry Me Back
2. Honky Tonk Women
3. Muddy Missisipi Line
4. Jambalaya
5. Swamp Rock
6. Niki Hoeky
B
1. Green River
2. Suspicious Minds
3. Catfish Mud Dance
4. Proud Mary
5. Gumbo
6. Plaquemines Parish





カバー曲

A-1.Carry Me Back


A-2.Honky Tonk Women

A-3. Muddy Missisipi Line


  

60年代から70年代にかけて多くのヒット曲を残した、オールディーズ男性アーティストの中期作品で、ベンチャーズがカバーした元ネタとして人気のノーザンソウル作品、BOBBY GOLDSBORO−『MUDDY MISSISSIPPI LINE』のU.S.オリジナル7インチ。
1969年にBILLBOARD CHART NO.53位を記録した小ヒット曲で、BOB MONTGOMERYプロデュースのロッキンチューン。 同名タイトルのアルバムから1枚だけシングルカットされた作品です。

A-4.Jambalaya


A-6.Niki Hoeky


P.J.PROBYの唯一とも言っていいヒット、カリフォルニア生まれのアメリカ人なのですが、最初に成功を収めたのはイギリス。その手助けをしたのがジャッキー・デシャノンなんだそうです。イギリス帰りのせいか、彼が歌うブルーアイドソウルナンバーには、モッズの香りがします。

B-1.Green River

B-2.Suspicious Minds

B-4.Proud Mary