PLEASE PLEASE ME STEREO REMASTER LP

今回、発売された2009 年リマスター音源ステレオ LP 「PLEASE PLEASE ME」の音を英国製ステレオ盤、3枚と聴き比べてみました。


再生装置  カートリッジ :DENON DL-103, プリアンプ : MARANTZ #7(管球式)  メインアンプ : WE-300B(1961年製)SINGLE×2(自作品)  スピーカー : TANNOY GRF-M



英国製 STEREO盤 LP






REMASTER STEREO盤 LP





このデビュー・アルバムは、大好きなレコードでよく聴いていますが、常にモノラル音源です。ファースト・プレスの"GOLD LABEL"が、最高の音と思います。
普段、ほとんど聴く事のないステレオ盤を聴いてみました。スピーカー左右の距離は、約2.5mでリスニング・ポイントは、スピーカーから5.5m離れた部屋の広さが縦長の18畳間です。
これだけ離れて聴いてもミキシングは、最悪です。左からは、強調されたベース音と、リードギター、そしてボーカルのエコー板による残響音が聴こえます。右からは、意識的に低域部をカットしたようなヴォーカルとドラムが聴こえます。
極端に言うと左から低域、右から高域が出ている感じです。モノラル盤の圧倒的な音圧で迫ってくる音とはまるで違います。3枚の中では、EMIワンマークのレコードが、割とバランスよく再生されています。オリジナルの"GOLD LABEL STEREO"盤は所有していないため比較は出来ません。

いよいよ、今回発売されたリマスターLPを聴くと、左の音の中低域が少し強調された感じがして、全体的に出てくる音が柔和な感じがします。デジタル音とは違う音です。長く聴いても疲れない感じです。しかし、基本的にオリジナル音を踏襲する意識が出ていて、その意味では合格です。
おそらく、今回のLP BOXを購入した人は、レコードへの思い入れが強い人ですから納得出来る音質でしょう。しかし、モノラル音源に適うはずもなく、それを確認するためのステレオ盤というレベルの価値かも知れません。



〈番外編〉
2011年頃に"PLEASE PLEASE ME" STEREO盤のブートが発売されました。赤盤・青盤・黒盤の3種類です。レーベルは、"Gold Label STEREO"ですが、なぜか、出版社が"Norther Songs"のセカンドプレスのコピーです。




このレコード、ブートですが、音質は、かなりのものです。おそらくCDのデジタル・リマスター音源を使ったと思いますが、CDの音とは思えない音質で、気に入ってます。もう存在価値が無いかもしれませんが、記念碑的レコードです。ジャケ裏は、Ernest J.Day Co,です。