THE VENTURES MYSTERY TOUR 9

10.Bobby Vee Meets the Ventures LP: Liberty LST7289 - 4/1963 [#91] を取り上げますが、まずは、Bobby Vee の紹介です。
ボビー・ヴィー(本名ロバート・ヴェライン)はノース・ダコタ州のファーゴという町の出身です。1950年代後半、彼は兄のビル・ヴェラインと友人のボブ・コラムと共にシャドウズというロックンロール・バンドを組んで地元で活動していました。
ヴィーの成功は、悲劇の最中から始まった。後に「音楽が死んだ日 (The Day the Music Died)」と呼ばれることになった1959年2月3日、「ウィンター・ダンス・パーティー」のツアー中だった3人のスター、バディ・ホリーリッチー・ヴァレンス、ザ・ビッグ・ボッパー(The Big Bopper)が、次のショーが予定されていたミネソタ州ムアヘッド(Moorhead)への移動中、搭乗していた1947年製ビーチクラフト・ボナンザV字型尾翼機がアイオワ州クリアレイク(Clear Lake)付近に墜落し、21歳のパイロットロジャー・ピーターソン(Roger Peterson)も含めて全員が死亡してしまった。
当時15歳の高校生だった(まだヴィーと名乗る前の)ヴェリーン少年は、ムアヘッドのライブでホリーたちの穴を埋めるという荷の重い仕事に手を上げ、引き受けることになった。彼らのパフォーマンスは成功し、以降、ヴィーが人気歌手として成功する道へとつながる様々なイベントが連鎖的に起こっていった。
ヴィーがまだ駆け出しだった頃、エルストン・ガン(Elston Gunnn)というミュージシャンが彼のバンドに加わって短期間ツアーをともにした。ガンは、本名をロバート・アレン・ジママン(Robert Allen Zimmerman)といい、後にボブ・ディランとして有名になった。

「さよならベイビー」(Take Good Care Of My Baby)、この曲は当初ディオンがアルバム用にレコーディングしていたが、シングルリリースはしないというので、即、ボビーに吹込ませると何とシュレルスの『Will you Still Love Me Tomorrow』につぐGoffin-Kingの全米第1位となった。
ビートルズは、DECCAオーディションで、この曲を演奏している。


1962年5月に、ボビー・ヴィー達と共にベンチャーズが来日(ドンとボブの2人)した時は、日本でまだエレキ・ギターが今日のように普及していなかった時で、一部のファンに熱狂されただけでスゴスゴとアメリカに帰る、といった有様でありました。


1962年5月18日(金)米軍立川基地

1.Walk,Don't Run / ウォーク・ドント・ラン
2.Runaway / 悲しき街角(Vo:Don)
3.Yellow Bird /イエロー・バード
4.Hat Off To Larry /花 咲く街角(Vo:Don)
5.The McCoy /ザ・マッコイ
6.Rubber Ball /ラヴァー・ボール(with Bobby)
7.Devil Or Angel / デビル・オア・エンジェル(with Bobby)
8.One Last Kiss / ワン・ラスト・キッス(with Bobby)
9.More Than I Can Say /モア・ザン・アイ・キャン・セイ(with Bobby)



初来日 水谷良重、ボビー・ヴィー、ジョー・アン・キャンベルと共に


Bobby Vee Meets The Crickets Recording 1961.9 Released 1962.3 Producer:Snuff Garrett


ボビー・ヴィーとクリケッツとの直接的な交流は、ボビー・ヴィーが引っ越してきたロサンゼルスのアパートにクリケッツのメンバーが住んでいたことが発端となっています。それ以前にもボビー・ヴィーの2ndシングル「What Do You Want」('60年全米93位)のB面曲「My Love Loves Me」が、クリケッツのギタリストSonny Curtisの作品だったという間接的なつながりはあったのですが...
その後、Coral Recordsからボビー・ヴィーと同じLiberty Recordsに移籍してきたクリケッツの第1弾、「He's Old Enough to Feel Better」('61年)のB面曲「I'm Feeling Better」をボビー・ヴィーが提供すると共にレコーディングにも参加する等ますます親交を深め、遂に同年秋『Bobby Vee Meets the Crickets』のセッションが実現することになるのです。ただ、ジャケット写真にその姿があるもののLiberty移籍直前にクリケッツを脱退したJoe Mauldin(ベース)と当時兵役に就いていたSonny Curtisが参加していないのは残念。

『Bobby Vee Meets the Crickets』のセッション・メンバー:
・Bobby Vee(ヴォーカル&ギター)
・Tommy Allsup(リード・ギター) 一時The Cricketsに在籍
・Howard Roberts(リズム・ギター)
・Red Callender(ベース)
・Jerry Allison(ドラム&バック・ヴォーカル) 当時のThe Cricketsのドラマー
・Earl Palmer(ドラム) 「Well...All Right」のみ参加、「Lucille」はJerry Allisonと共同
・Gene Garf(ピアノ)
・Ernie Freeman(ピアノ)
・Jerry Naylor(バック・ヴォーカル) 当時のThe Cricketsのヴォーカリスト
・Buzz Cason(バック・ヴォーカル)


曲目
1. Peggy Sue
2. Bo Diddley
3. Someday (When I'm Gone From You)
4. Well...All Right
5. I Gotta Know
6. Lookin' For Love
7. Sweet Little Sixteen
8. When You're in Love
9. Lucille
10. Girl of My Best Friend
11. Little Queenie
12. Girl Can't Help It, The

1990年に、CD化された時に、未発表テイク9曲と新録音の1曲が追加されて発売された。

13. Lonely Weekends - (previously unreleased, take 1)
14. It's Too Late - (previously unreleased, take 1)
15. Come on Baby - (previously unreleased)
16. Mountain of Love - (previously unreleased)
17. No One Knows - (previously unreleased)
18. Shanghaied - (previously unreleased)
19. Keep a Knockin' - (previously unreleased)
20. Lonely Weekends - (previously unreleased, take 2)
21. It's Too Late - (previously unreleased, take 2, bonus track)
22. Buddy Holly Medley: *: What To Do / Crying, Waiting, Hoping / Learning The Game

憧れのバディー・ホリーのバックバンドであったクリケッツと共演して、ヴィーは嬉しかったに違いありません。ティーン・アイドル的イメージとしか取られていなかったヴィーとは思えぬロックンロール・アルバムに仕上がり、出来は上々です。






BOBBY VEE MEETS THE VENTURES  リリース 1963. 4

Liberty LST-7289/LRP-3289   UK/SLBY-1147(1963. )
Producer Snuff Garrett & Bob Reisdorff
  米国盤(STEREO)




  英国盤(MONO)



このアルバム「Bobby Vee MeetsThe Ventures」)は、1963年にアメリカでリリースされました。ビルボード誌の全米アルバム・チャートでは、同年6月に最高位91位にランクされています。前’62年に発売された「Bobby VeeMeets The Crickets」の続編として企画された1枚。ボビーにとっては2枚目、ベンチャーズにとっては始めての他人とのジョイント・アルバムです。
曲名後の名前は、リードギターと思われますが、私の推測です。Nokieさんとは、思えないギタリストもいるようですが、パーソネルは、不明です。


Side A
1.Goodnight Irene Ledbetter-Lomay - Bob & Nokie
2.Walk Right Back S Curtis - Nokie
3.Linda Lou R Sharpe - ?
4.Caravan(inst.(B Reis. Fender Jazzmaster) Ellington-Mills-Tizol - Nokie (Mosrite Gtr.)
5.What Else Is New R Velline - ?
6.Candyman Ross-Neil - Nokie
Side B
1.This Is Where Friendship Ends T Lesslie-R Villine - Nokie
2.Honeycomb B Merrilt - ?
3.Pretty Girls Everywhere Church-Williams - Nokie
4.Wild Night(inst.)(B Reis) W.B.E.T - Nokie (Mosrite Gtr.)
5.I’m Gonna Sit Right Down And Write My Self A Letter Young-Ahlert - Nokie
6.If I'm Right Or Wrong Sheeley-DeShannon - Nokie

このアルバムには、ベンチャーズにとって重要な曲、「Caravan」が収録されています。なぜ、このアルバムに2曲だけベンチャーズのみの曲が入っているのかは謎ですが、ベンチャーズのアルバムの中には、飛びぬけた仕上がりの曲が入っていて驚く事がままあります。ここでのギターは、ノーキーですが、Fender Jazzmasterの音と言われていますが、ライヴの影響から来る印象なのか、Mosriteの使用に思われて仕方ありません。歪のないクリアトーンですが、スタヂオでの録音に置いてフルヴォリュームで演奏されるはずが無く、アンプとギターのヴォリューム調整でMosriteでのクリアトーンは可能です。ましてやシングルコイルです。
もう1曲のWild Nightは、アルバム"Surfing"の中の曲Party In Lagunaと同じ曲に歓声(叫び声)を入れたものです。こちらは間違い無くMosriteの音です。
このアルバムの仕上がりは、クリケッツとの共演盤よりも出来が良く、十分に楽しめます。おそらくクリケッツとの共演盤と同じく未発表テイクがあるはずですし、パーソネルも記録に残っていると思われます。いつか明かされるのを期待します。