THE SHADOWS -- JIGSAW

1958年頃、若干16歳ですでにロンドンのパブで評判のギタリストであったハンク・マーヴィンは、故郷ニューカッスルから一緒に出てきた同級生、ブルース・ウェルチとともにクリフ・リチャードのマネージャーにスカウトされ、クリフのバックバンド「ドリフターズ」に加入した。
同名のグループが米国にあったためバンド名を『シャドウズ』に変更した。


メンバーにはベースのジェット・ハリス。ドラムスにトニー・ミーハンがいた。単独でもインスト、ボーカル数曲をリリースしているが、どれもセールス的には成功していない。シャドウズに改名してから、クリフ・リチャード&シャドウズとしては、日本では1965年の大ヒット曲「ダイナマイト(Dynamite)」などがあるが、シャドウズ単独としてはなんといっても1960年の「アパッチ(Apache)」だろう。イギリスヒット・チャートの首位を独走し、ザ・シャドウズを一躍第一線に引っ張り上げた記念作だ。その後も「ダンス・オン(Dance On!)」「フット・タッパー(Foot Tapper)」など、No.1 ヒットを連発し、ブリティッシュ・ロックのパイオニアとして60年代初期のイギリスポップス界をリードした。
 シャドウズの特徴は、なんといってもリーダーでありリード・ギターのハンク・マーヴィンのその独特のプレイスタイルにある。特別ややこしいフレーズを弾くわけではないのだが、クリアなトーンと正確なピッキング。そしてアーミングは不思議な魅力を持っている。プロのミュージシャンの中にも彼のファンは多く、イギリスでは今でもフォロワーバンドが数多く存在する。日本では一部の熱狂的なマニアに支持されているだけだが、フォロワーとしてはGSで活躍したザ・サベージが有名であった。
 シャドウズとハンク・マービンについてはギターにも触れておかなくてはならないだろう。ベンチャーズにはモズライトがあるように、シャドウズには「バーンズ」がある。
 初期の頃のハンク・マーヴィンは、一時、日本製のギターを使用したこともあるようだが、なんといっても伝説となった赤いストラト・キャスターが有名だ。そして1964年から使用したのがイギリス・バーンズ社のハンク・マーヴィン・モデル「マーヴィン」であった。「マーヴィン」はその名の通り、バーンズ社がハンク・マーヴィンと共に開発したモデルで、1969年まで、シャドウズのトレードマークとして多くのファンを魅了した。

JIGSAW
60年代シャドウズの最高傑作である。録音日は1967年4月27日。初来日、直前。レコーディングには4trのレコーダーが使われている。(Ampexと思われる)しかし、それ程のダビングはされていない。リードギター、ピアノ、蜃気楼の様に響き渡るハーモニカ位か。
レコード・ジャケットは英国盤と日本盤とでは大きく異なる。日本盤は来日時の写真が使われているが、なぜか裏焼きである。気が付かずに発売されたとしたら大チョンボ! 裏焼きを反転した写真を載せるが、なぜか(慣れのせい・・・)裏焼き写真の方がしっくりくる。
オリジナル英国盤

日本盤