48回目の曲目

今年の1月に特集したストーンズの2回目に続き、3回目です。

1.この世界に愛を

2.ダンディライオン

3.シーズ・ア・レインボウ

4.アナザーランド

5.ジャンピン・ジャック・フラッシュ

6.チャイルド・オヴ・ザ・ムーン

7.ストリート・ファイティングマン

8.悪魔を憐れむ歌

9.パラシュート・ウーマン






1.We Love You

67年の8月に英国で発売された曲です。 ビートルズからジョンとポールがコーラスで参加しているというのも、大きな話題でした。曲のイントロの前には監獄の廊下を歩く足音、「ギー、バタンッ」と閉じられる牢屋の扉をイメージした効果音が使われているのですから!これはとりあえずシングルバージョンのモノラル仕様ということで、曲の最後にB面曲「Dandelion」の一節が小さく入っているのがミソ♪

2.Dandilion


曲の最後には、「We Love You」のピアノイントロが小さく入っているという、つまりA面曲と同じ仕掛けでループを狙ったというニクイお遊びが、全くビューティフルだと思います。
ちなみにこの曲にも幾つかのバージョンが存在しており、これはとりあえずシングルバージョンのモノラル仕様です。

3.She's A Rainbow



今となっては、最も「らしくない」ストーンズのアルバム! そしてポビュラー音楽史に屹立する孤高の名盤!『ゼア・サタニック・マジェスティー・リクエスト』
もちろん同年6月に発売されたビートルズの「サージェント・ペパーズ」を後追いした作品であることは否定出来ません。しかし二番煎じだったとしても、ジャケットの豪華な凝り様を筆頭に、これほど見事に屈折した模倣も無いもんだと思います。
まず、世界初の3D技法を用いたジャケットが、サイケデリックそのまんまの優れもの♪ あの微妙にデコボコした透明プラスチックを貼ったやつです。そして撮影とデザインを担当したのが、前述の「サージェント・ペパーズ」と同じマイケル・クーパー:Michael Cooper ですから、確信犯を通り越した潔さが流石だと思います。
哀しくも美しいニッキー・ホプキンスのピアノが全体を支配していますし、後にレッド・ツェッペリンで活躍するジョン・ポール・ジョーンズがアレンジしたというストリングス&ホーンに彩られています。アルバムバージョンの最初にあった通称ストリートノイズをカットしてあります。もちろんオリジナルはモノラル仕様なので要注意! 何故かと言えば、後にアルバム収録されたものは、ほとんどがステレオ仕様になっているからです。

4.In Another Land



連絡の不備からスタジオに集ったビル・ワイマンチャーリー・ワッツ、そしてニッキー・ホプキンスだけで録音が始められた曲だと言われています。
楽曲そのものも、ストーンズ内で初めて発表されるビル・ワイマンの完全オリジナルですし、もちろん作者本人がボーカルとベースを担当していますが、これがなかなかの傑作!

5.Jumpin' Jack Flash




           英国盤

           米国盤

この時期の彼等は名盤「ベガーズ・バンケット」として結実するレコーディングの真っ最中で、この曲もその中のひとつとして録音されたのですが、そのあまりの出来の良さに急遽シングル盤として発売されたものです。ただし、この時代、LPは既にステレオ仕様がメインになっていたものの、シングル盤はまだまだモノラル仕様が一般的ということで、この曲もオリジナルはモノラルバージョン!

6.Child Of The Moon

アルバム「ベガーズ・バンケット」収録の楽曲群とは完全に肌合いが違っていますから、シングルのB面で発表されたものと思われます。ちなみに要所で聞かれるオルガンやサックスはブライアン・ジョーンズによるもので、なんともいえない味わいが素敵です♪
そしてこの曲も、後に幾つかのステレオバージョンが発表されますが、ここでのオリジナルはあくまでもモノラル仕様です。

7.Street Fighting Man


曲調は「Jumpin' Jack Flash」の二番煎じかもしれませんが、そのサウンドのドロドロした混濁さとか、当時の学生運動や政治集会における暴動を素材にした歌詞の内容が、強烈な印象となっています。ギターパートの弱さを懸念したジミー・ミラーが、同時期に製作を手がけていたトラフィックから、ギタリストのデイヴ・メイソンを助っ人参加させたという事情があるようです。

8.Sympathey For The Devil

ブライアンを描いた映画『ストーンズから消えた男』

モントレー・ポップ・フェスには、ニコとカップルで・・・

『ワン・プラス・ワン』DVD

このセッション時のブライアン・ジョーンズは諸問題で明らかに精彩が無く、それはこの曲の録音現場を記録した「One Plus One」というジャン・リュック・ゴダール監督の映画に包み隠さず残されています。そこにはミック・ジャガーが中心となって曲を完成させていく様が興味深く写されており、各々が演奏をクリエイトしていくメンバーの中にあって、ただ芒洋とギターをいじっているブライアン・ジョーンズの姿は哀れ……。
モノラルバージョンの方が演奏スピードが速くなっています。

9.Parachute Woman
     英国製MONO盤



     英国製STEREO盤


ストーンズ流のブルースロック! グイノリのビートは本当に見事ですし、エレキギターよりも目立つアコースティックのリズムギターが全てを決定していると思います。

Beggers Banquetのモノラル・アルバムは、ジャケの色が、アイボリーで、裏面を見ると、ジャケの製作会社は、Gallod and Loft Houses社製です。ステレオ・アルバムは、モノラルより、白い色が強く、ジャケの製作会社は、Robert Stace & Co.社製です。又、レーベルは、それぞれ赤色と紺色となっています。