浜村 美智子  30年早すぎた登場!

本名は、浜村美知子、1938年10月3日、大阪・玉造生まれ。

1954年8月14日、日本テレビの『素人のど競べ』の第一回合格者退会に出場、『ブルームーン』を歌って選外佳作となる。その後、キャバレー、ナイトクラブ、米軍キャンプで歌うかたわら、56年、画家の東郷青児、写真家の中村立行の目に留まり、ヌード・モデルとして美術雑誌『アトリエ』や、カメラ雑誌に豊かな肢体を披露する。
1957年2月22日、銀座のキャバレー『キャレス』で歌っていた所を日本ビクターにスカウトされ、57年3月、米国でヒットしていたハリー・ベラフォンテの『バナナボート』の日本語カバーで、デビューする。この時代は、まだSPレコードとバイナル盤が、切り替わる時で、両方の発売があるが、薄いビニールの被ったドーナツ盤のジャケは、ヌードで、さぞかし、当時は世間を騒がせたことだろう。浜村美智子の容姿は、今の時代でも通じると思われるが、ジャケの黒色のショーツの大きさは、何とも異様に感じるのは時代のなせる技だろうか。

  デビュー曲の『バナナボート』



  ドーナツ盤のジャケ






  ハリー・ベラフォンテのオリジナルSPレコード

  2枚目の『ダークムーン』




  ゲール・ストームのオリジナルSPレコード

  『島の女』



  雪村いづみとの抱き合わせSPレコード


  『監獄ロック』ジャケはない

同年9月には、米国へ渡り、テレビ番組に出演したり、レコーディングもしている。この時のレコードは、EP盤として、米国で発売されている。タイトルは、"JAPAN'S TEEN QUEEN WITH A BEAT"で、『パラダイス』 Paradise(Nacio Herb Brown-Gordon Clifford)/ 『ザッツ・ラヴ』 That's Love/(Buddy Lucas-Yolanda Paterno)/『これが恋かしら』 What Is This Thing Called Love(Cole Porter)/ 『ハッピネス』 Happiness(Gregory Carrol-Yolanda Paterno)の4曲で、すべて英語で歌っている。『パラダイス』では、大阪弁のせりふが入っている。更にもう1枚、EP盤が米国で発売されているが、これは、日本録音の曲です。
又、この時に、ジーン・ヴィンセントとも会ったようで、彼のレパートリーに、"MICHIKO FROM TOKYO"という曲がある。

57年12月31日、東京宝塚劇場で開催された第8回NHK紅白歌合戦に初出場。だが、『バナナ・ボート』には全体的に男性コーラスが使われており、当時はコーラスでも男性とは歌唱することが出来ず、エルヴィス・プレスリーの『監獄ロック』を歌ったというエピソードがある。










58年1月には、初の主演映画『ジャズ娘に栄光あれ』(東宝)も封切られて人気を得るが、ここまでが、彼女の絶頂期である。



 数々の写真集






 実筆のサイン 『島の女』の発売時に写真集に…

61年1月に発売された10インチLP,8曲入りの『夜のラテン』は、歌謡曲史上の中で、最もレア盤との名高いアルバムである。ジャケは、紹介されているが、現存する枚数は、いったいどの程度なのかは不明である。曲は、2003.9.21発売のCD『カリプソ娘』で聴くことが出来る。



バナナボート/浜村美智子   P-Vine PCD-1537



01. バナナ・ボート Banana Boat 1957.3
02. 恋のヴェネズエラ Venezuela 1957.3
03.ダーク・ムーン Dark Moon 1957.7
04. カリプソ娘 Calypso Joe 1957.7
05. 島の女 Boy on a Dolphin 1957.7
06. ママはブーブー Mama Look a Boo Boo 1957.7
07. ジングル・ベル Jingle Bells 1957.11
08. 監獄ロック Jailhouse Rock 1958.2
09. 悲しみよこんにちは Bonjour Tristesse 1958.2
10. 悲しいスーチャン 1959.10
11. 一、三リッター、四リッター 1959.10
12. 恋の鳥 1959.11
13. 死ぬほど愛して 1960.10
14. トンテンカン・ロック 1958.11
15. 駐車場の女 1959.11
16. 東京の隅っこ 1958.8
17. アリゾナ色の靴下 1958.8
18. アフリカの星のボレロ 1961.1
19. 真っ赤な花 1960.5
20. 東京タウン 1960.7
21. カーナバルの夜 1962.2
22. 破れかぶれ 1961.5


カリプソ娘/浜村美智子    ビクター(VICL-61210)



01. バナナ・ボート Banana Boat(Day O)
(L.Burgess-W.Attaway/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
02. 恋のヴェネズエラ Venezuela
(Traditional/訳詞:井田誠一/編曲:多忠修
03. カリプソ娘 Calypso Joe
Leona Wenz/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
04. ダーク・ムーン Dark Moon
(Ned Miller/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
05. ママはブーブー Mama Look a Boo Boo
(Lord Melody/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
06. 島の女 Boy on a Dolphin
(T.Morakis-J.Fermanglou/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
07. パラダイス Paradise
(Nacio Herb Brown-Gordon Clifford)
08. ザッツ・ラヴ That's Love
(Buddy Lucas-Yolanda Paterno)
09. これが恋かしら What Is This Thing Called Love
Cole Porter
10. ハッピネス Happiness
(Gregory Carrol-Yolanda Paterno)
11. ジングル・ベル Jingle Bells
(J.S.Pierpont/訳詞:雪村いづみ/編曲:寺岡真三)
12. 監獄ロック Jailhouse Rock
(Mike Stoller-Jerry Leiber/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
13. 悲しみよこんにちは Bonjour Tristesse
(Georges Auric-Arthur Laurents/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
14. 死ぬほど愛して Sinno Me Moro
(Carlo Rustichelli-Pietro Germi-Alfredo Giannetti/訳詞:井田誠一/編曲:岩崎宏康)
15. アフリカの星のボレロ Stern Von Afrika
(Hans Martin Majewski-Peter Stroem/訳詞:宮川哲夫/編曲:寺岡真三)
16. タブー(禁じられた恋) Tabu
(Margarita Lecuona/訳詞:井田誠一/編曲:一ノ瀬義孝)
17. ロンリー・ワン(恋に弱い女) The Lonely One
(Roberta Heller-Leonard Hambro/訳詞:井田誠一/編曲:一ノ瀬義孝)
18. フラミンゴ(夢の島) Flamingo
(Edmund Anderson-Theodor Grouya/訳詞:宮川哲夫/編曲:一ノ瀬義孝)
19. ハーレム・ノクターン(ひとりの夜) Harlem Nocturne
(Ear Hagen-Dick Rogers/訳詞:井田誠一/編曲:一ノ瀬義孝)
20. テンプテーション(なぜかしら) Temptation
(Nacio Herb Brown-Arthur Freed/訳詞:宮川哲夫/編曲:一ノ瀬義孝)
21. チャチャチャ・フラメンコ(夜空の火花) Cha cha cha flamenco
(Maio de Jesus/訳詞:井田誠一/編曲:一ノ瀬義孝)
22. ビー・マイン・トゥナイト(かわらぬ愛) Be Mine Tonight(Noche de Ronda)
(Maria Teresa Lala/訳詞:井田誠一/編曲:一ノ瀬義孝)
23. ローラ Laura (Lullaby of Birdland)
(David Raksin-Johnny Mercer/訳詞:宮川哲夫/編曲:一ノ瀬義孝)
24. カーニバルの夜(フェリシダージ) A Felicidade
(Antonio Carlos Jobim-Vinicius de Moraes/訳詞:井田誠一/編曲:寺岡真三)
25. <ボーナス・トラック>黄色いシャツ
(作詞・作曲:孫夕友/訳詞:桑路実/編曲:青木望


現在も(2012年現在で、74才になられる。)ラテン・シャンソンを中心にダンスパーティー、ディナーショー等のステージに出演している。