MAGICAL MYSTERY TOUR


マジカル・ミステリー・ツアー』(Magical Mystery Tour)は、ビートルズによるテレビ映画用サウンドトラックである。    サウンド・トラックの6曲は英国オリジナルでは2枚組EPという特殊なフォームで、1967年12月8日にリリースされた。  当時EP盤はモノラルが原則であったが、英オリジナル2枚組EPはステレオとモノラルの双方が発売された。ビートルズのオリジナルEP中唯一ステレオでリリースされたEPである。

プッシュアウト・センターとソリッド・センターのモノ盤


ステレオ盤 ファースト・プレス

ステレオ盤 MX番号がなぜかMONOとSTEREOの両方が記載されている。

アメリカではEP盤自体が一般的ではなかったため米キャピトル・レコードはA面にサウンド・トラック6曲を任意に配列し、更にB面にシングル盤既発売曲の5曲を任意に配列した11曲入りコンピレーション・アルバムを、1967年11月27日にリリースした。この米キャピトル編集盤は扱いの簡便さからイギリスでも輸入盤として人気を集めた。イギリス・EMIレコードによるLP盤としては、1976年11月27日にリリースされた。

米キャピトルではビートルズのモノラル・アルバムは本作が最後のリリースとなり、次作『ザ・ビートルズ』以降はステレオのみの発売となった。
米国モノ盤とカナダモノ盤

米キャピトル編集盤はB面には1967年以降リリースされたシングル曲3枚分5曲が収録された。発売予定に間に合わせるために、米キャピトル編集ステレオ盤の最後の3曲(「ペニー・レイン」、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチマン」、「愛こそはすべて」)はモノラル・マスターにステレオ・シミュレーターもの(いわゆる疑似ステレオ)を収録した。(ステレオ・ミックスが制作されていなかった為。「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は後に英盤『ザ・ビートルズ1967年?1970年』で発表されるものとは別のステレオ・ミックスが使われている)

米国STEREO盤

英国製LP盤のレーベル 通常の黒盤と黄色盤

最後の3曲を含む全曲リアル・ステレオのアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』は1971年に西ドイツで発表された。西ドイツ盤LP収録の「アイ・アム・ザ・ウォルラス」は米キャピトル編集盤ミキシングが使われているが、イントロの繰り返しが6回のロング・バージョンになっている。(「フライング」は英盤EP、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は英盤『ザ・ビートルズ1967年?1970年』と同じバージョンに差し替え)
そののちに発売されたにもかかわらず1976年リリースの英パーロフォン盤の最後の3曲は米キャピトル編集盤と同じ疑似ステレオ・ヴァージョンが収録された。しかしA面収録曲は英盤EPと同じバージョンが使われている。
したがってアメリカ盤ステレオLP、ドイツ盤LP、イギリス盤LP、CD、はそれぞれ新たに再構成されたマスターが使われたことになる。
なおモービル・フィデリティー社が再発したハーフ・スピード・カッティング盤はアメリカ盤LPマスターを使用している。(米キャピトルは80年代末にLP再発したが、CD用デジタルマスターを流用したもの。カタログ番号はC1-48062。)
独逸HORZU盤とレコードクラブ盤


モービル・フィデリティー