Jimi Hendrix Classic Collection / Vintage Guitar Amp




10年ほど前に"The Jimi Hendrix Classic Singles Collection"というBOX SETが発売されました。世界各国で発売されたピクチャー・スリーブ付きのシングル盤が10枚とパンフレットがMarshallアンプをデザインした箱の中に入っています。その後、バッグをデザインしたVol.2も発売されました。

そんなんで、Marshallを始め、ヴィンテージ・ギター・アンプの紹介です。     世界最初のエレキ・ギターは1932年に米国のエレクトロ・ストリング・インストルメンツ(リッケンバッカー)が発表したハワイアン・ギター(通称フライイング・パン)です。このギター専用の「ブラック・ボックス」というアンプがギター用アンプの第一号とされています。その後、1936年には、GIBSON社が一般的には世界初コマーシャル・ベースのエレクトリックギターであるモデル、ES-150(エレクトリック・スパニッシュ)ギターを発売した。それに合わせギター・アンプも開発されています。
現在、ギターアンプを製造しているメーカーで、スピーカーまで自社で製造しているメーカーはほとんどなく、多くのメーカーが有名スピーカーメーカーのスピーカーを使用しています。このためアンプとスピーカーの相性というかマッチングの妙味などが、よりそのサウンドの独自性を強めています。

オーディオアンプと違って、ギターアンプは、球には過酷な条件で設計されています。普通オーディオ的な使い方であれば6L6GCのppだと、せいぜい40Wくらいの出力です。ギターアンプの場合は、球は消耗品と捉えられています。それに、フルパワーでの使用も前提条件です。フルパワーにしたときに球アンプの真骨頂といえる音が出るからです。
ツイード期のフェンダーアンプでおなじみのJensenスピーカー。1940年代、ギターアンプの開発に乗り出していたレオ・フェンダーがJensenのスピーカーと出会い、Jensenのスピーカーは50年代フェンダーツイードサウンドにとってなくてはならない存在となって行ったのです。60年代に入りロックミュージックが普及し始めると、ギターアンプの供給も増え、AmpegやGibsonなどのメーカーもギターアンプの制作に乗り出します。
使用されたのは当然Jensenのスピーカーでしたが、追従するメーカーも現れました。60年代初頭よりフェンダーアンプもOxfordのスピーカーを採用し始めます。60年代のブラックフェイスリヴァーブサウンドの中核はOxfordが担うことになりました。 
Jensenが市場から消えてゆくのと前後して、後を引き継ぐかの如く登場したのがEMINENCEでした。フェンダーアンプにおいても70年代に入ってクオリティの低下したOxfordに取って代わり、現在ではほとんどのモデルに使用されています。


Fender Tweed DX Model 5E3 15W(1954-59)
真空管は12AY7-12AX7-6V6GT×2-5V4という構成で、Fenderの中で最も歪むアンプ。 4入力があり、ブルースハーピストにも愛用された。スピーカーはJensenからVOX(CELESTION Blue)に交換されている。


Fender Tweed Bassman Model 5F6-A 40W (1951-60) 
真空管は 12AY7-12AX7×2-5881(6L6GC)-GZ34(5AR4)という構成で、ベース用というより、ギターやブルースハープに使われている。回路はMarshallがそっくり真似ている。スピーカーは初期はJensen15インチ1本から12インチ4本へ変更された。


Gibson(Gibsonette Tremolo) GA-8T 8W (1959)
真空管は12AX7-6BM8×2-5Y4 複合管6BM8の3極管部を発振させてトレモロ効果を作っている。スピーカーはJensen P12T


マーシャルでおなじみのCelestionスピーカーです。Celestion社が設立されたのは1924年アメリカのJensenやLansing Manufacturing Co.そしてElectro Voiceなどよりも3年早く、現在も生産を続けている中では世界最古のスピーカーメーカーと言えます。
Rola Clestion G12に彼らのリクエストに基づいたアレンジを加え出荷し、1957年、このスピーカーが搭載されたギターアンプはVOX AC15として世界に登場しました。そして1960年代、ビートルズが世界を駆けめぐりVOXとCelestionの名を全世界へと焼き付けることになります。
VOX AC15が登場してから5年後の1962年、Celestion製スピーカーを搭載した初のマーシャルアンプが世界に羽ばたいて行くことになります。


VOX AC-30TB 30W (1964-  )
真空管はECC83(12AX7)×8-EL84(6BQ5)×4-GZ34(5AR4)全13球と言う構成、最初から楽器用アンプとして設計された回路で、A級動作、トレモロ付き、トーン回路はフェンダーとは違う。スピーカーはVOXマーク付きRola Clestion G12とBlue 


Marshall JTM-45 45W (1962-   )
真空管はECC83(12AX7)×3-5881(6L6GC)×2-GZ34(5AR4)という構成でFender Basemanとほぼ同一。出力管はKT66、EL34(6CA7)PPパラレルPP等いろいろ出力により変更されている。


アメリカの音響メーカーとして大手だったWestern Electric社が、主に映画館など音響設備のメンテナンス業務としてAll Technical Services(アルテックサービス)を設立していました。All Technical Servicesは窮地にあったLansingの高い技術力に目を付け、Lansing Manufacturing Co.を1941年に買収し、Altec Lansingという会社を設立します。そしてJames B. Lansingはその副社長としてスピーカーの開発にあたることになりました。
これまた銘器として名高いAltecスピーカーの誕生です。James B. Lansingの才能はAltec Lansingにおいて遺憾なく発揮され、幾多の銘スピーカーがこの時生産されました。Altecが後に伝説的スピーカーメーカーとして称される背景には、この時にLansingのもたらした技術が核になっていると言われています。Altec Lansingも音響スピーカーのトップブランドとして走り続け、70年代には楽器用スピーカーのエポックメイキングとも言える417-8HⅡを開発。Mesa/Boogie MK-I及びMK-IIで主力として使用される。90年代後半にElectro Voiceの傘下に入り、今なおオーディオ界の第一線の位置を守り続けています。



Mesa/Boogie MK-I(1974-78) 100W/60W A/B
真空管は12AX7x4-12AT7xl-6L6GCx4が100W時の構成、MarkⅠは当初60Wで6L6GCx2本のPPであった。3ヴォリューム方式でディストーションは自在に調整可能であり、ロング・サスティーンを得るのが容易で多くの信奉者を生むこととなり、カルロス・サンタナが愛用し有名になった。スピーカーは、銘器!Altec 417-8HⅡ


Jugg Box One(1978-  )60W
真空管は12AX7x2-12AT7xl-6L6GCx2、スピーカーは、Altec 417-8HⅡ・・・ロゴ、プレートが外してありますが、私のアンプです。Mesa/Boogie MK-Iが欲しかったのですが、高価すぎて買えず、Altec 417-8HⅡが目的で買いました。