Western Electric Monitor Amp WE-23C




映画館向けにウェスタン・エレクトリックが1920年代から30年代にかけて設計・製造した音響機器は、耐久性と音質のよさからオーディオマニアなどのコレクション対象となっています。これには、大規模映画館用の巨大なスピーカーもあり、比較的低出力の真空管アンプで駆動されています。
1948年に発表されたWE-23Cというモニター・アンプは自社の349A・336Aという名球を使用せず1932年にRCAが開発した42という球を使用しているのは何故だろう?よし、作って確かめよう!
42は始めナス型球で発売され、ST型となり、その後6F6G、6F6GT、ミニアチュア型の6BQ5と姿、形を変化させ、電蓄やラヂオ、ステレオに多用された最もポピュラーな真空管です。
簡単な回路を完全コピーしました。電圧増幅段に使用されているRCA1603という球はいくら捜しても見つからないので、77で代用しました。後に判りますが、何故かシールドが悪いのか、ノイズを拾い、5本に1本の割での使用となりました。最大出力3Wのアンプですが、大型のTannnoy製スピーカーを朗々と鳴らせました。
さすがウェスタン・エレクトリックです。
使用した出力管の42は米国PHILCO製のナス管です。ST管はいくらでも市場に溢れていますが、ナス管はまず見つけるのは困難です。・・・このアンプは数年所有していましたが、転売してしまいました。
回路を踏襲しつつ、欧羅巴製のペントード管(5極管)を使用したアンプを製作しました。ソケット、簡単な抵抗の変更でいろいろな真空管を聴き比べできます。
整流管は水銀管のPhilips83です。余熱が必要ですのでSWは二つ付けています。不気味に青く光ります。写真の出力管は英国のOsram製7A2です。他にValvo,Marconi,Mullard,Cossorというメーカーの球も集めました。シャーシーはトランスも含め金色で塗装しました。・・・これも転売してしまいました。




スピーカーは、英国製のTannoy GRF Memoryをメインにしていますが、日本製ASHIDAVOXの8P-HF1という今や、超レアなスピーカーを愛用しています。マグネットはアルニコです。(アルミ・ニッケル・コバルトの合金の略称ですネ。)今では、高能率で真空管アンプにぴったりのユニットですが、中古品でもめったにお目にかかれません。軽量コーンでフィックスドエッジです。和む音です。