THE VENTURES MYSTERY TOUR 21

17.Knock Me Out![#31] 2/1965 について取り上げます。

これぞベンチャーズの最高傑作! 12曲中、厳密に言えば、9曲がカバー曲で、オリジナルは、5. Mariner Number Four ・10. Lonely Girl ・11. Bird Rockers の3曲に過ぎませんが、全曲ともに素晴らしい仕上がりとなっています。 8. Slaughter On Tenth Avenue 10番街の殺人 は、アレンジも含めベンチャーズのオリジナルと言っても過言ではありません。


A面
1. I Feel Fine
2. Love Potion Number Nine
3. Tomorrow's Love
4. Oh, Pretty Woman
5. Mariner Number Four
6. When You Walk In The Room
B面
1. Gone, Gone, Gone
2. Slaughter On Tenth Avenue
3. She's Not There
4. Lonely Girl
5. Bird Rockers
6. Sha La La




US Dolton BLP-2033(MONO) 1965.2 Tomorrow's Love が、入っている。



US Dolton BST-8033(STEREO) Tomorrow's Love の代わりに Love Goddess of Venus が入っている。



ノック・ミー・アウト 東芝 LP-7200 1965.6  日本盤は、すべて Tomorrow's Love が、入っている。B面の曲順が違っている。




A面
1. アイ・フィール・ファイン
2. ラヴ・ポーションNo.9
3. トゥモロウズ・ラヴ
4. オー・プリティ・ウーマン
5. 夢のマリナー号
6. ウィーク・イン・ザ・ルーム
B面
1. 10番街の殺人
2. シーズ・ノット・ゼア
3. ロンリー・ガール
4. ゴーン・ゴーン・ゴーン
5. バード・ロッカーズ
6. シャ・ラ・ラ


ノック・ミー・アウト 東芝 LLS-80035 1974.10


ノック・ミー・アウト キング GXH-38 1978.8


ノック・ミー・アウト 東芝 TOJP-7249 1992.7


UK Liberty LBY-1252(MONO) Tomorrow's Love の代わりに Love Goddess of Venus が入っている。





UK Liberty LBL-83127E(MONO) Tomorrow's Love の代わりに Love Goddess of Venus が入っている。まるでセンスが無いジャケ。





Argentin Los Ventures Liberty LIB-1030   A.1にGone, Gone, Goneが入った編集盤 Tomorrow's Love の代わりに Love Goddess of Venus が入っている。





十番街の殺人 東芝 LP-8734 1969.8 いつもの意図不明な編集盤





東芝 TOCP-65225 1999.5 MONOとSTEREOの入ったCD




カバー曲のオリジナルも素晴らしい曲ですので、紹介をします。

1.I Feel Fine・・・The Beatles



「アイ・フィール・ファイン」("I Feel Fine")は、1964年11月にビートルズが発表した8枚目のオリジナル・シングル、本作の演奏ではイントロで使われているフィードバック奏法が大変印象的である。これは、リハーサル時にアンプに立てかけてあったギブソン・J-160Eが偶然ハウリングを起こしたことから曲に採用され、第1テイクから入れられていた。録音に際し、ジョンのJ-160Eをアンプに繋いだ状態で5弦開放、ポールがヘフナー・500-1で3弦の開放でピッキングして、ジョンがそのままヴォックス・アンプに近づくという方法によりこの音を出している。ジョンはライヴでこの曲を演奏する際にも、時折フィードバックを披露していたことがある(1965年8月30日のハリウッド・ボウル公演や1966年7月1日の日本武道館公演において。日本武道館公演では映像でもその模様が確認できる)。



2.Love Potion No. 9・・・THe Clovers / The Seachers



The Searchers 1963年のヒット曲、「Love Potion No. 9」(日本語曲名:恋の特効薬)がいいですね。もともとは、R&Bのザ・クローヴァーズのオリジナル曲ですが、この曲を一気に有名にしたのは彼等でした。
スタンド・バイ・ミー(ベン・E・キング共作)』『ハウンドドッグ』『監獄ロック』『スパニッシュ・ハーレム』 などを書いたジェリー・レイバ(Jerry Leiber) と マイク・ストーラ(Mike Stoller)のコンビ による曲。
『ラブ・・ポーション・ナンバー9』はその歌詞からするとコミック・ソングの範疇に入ってもよい類で, その意味では異質なロックです。  


Love Potion Number Nine

I took my troubles down to Madame Rue
You know that gypsy with the gold-capped tooth
She's got a pad down on 34th and Vine
Sellin' little bottles of Love Potion Number Nine

I told her that I was a flop with chicks
I've been this way since 1956
She looked at my palm and she made a magic sign
She said "What you need is Love Potion Number Nine"

She bent down and turned around and gave me a wink
She said "I'm gonna make it up right here in the sink"
It smelled like turpentine, it looked like Indian ink
I held my nose, I closed my eyes, I took a drink

I didn't know if it was day or night
I started kissin' everything in sight
But when I kissed a cop down on Thirty-Fourth and Vine
He broke my little bottle of Love Potion Number Nine

I held my nose, I closed my eyes, I took a drink

I didn't know if it was day or night
I started kissin' everything in sight
But when I kissed a cop down on Thirty-Fourth and Vine
He broke my little bottle of Love Potion Number Nine

Love Potion Number Nine
Love Potion Number Nine
Love Potion Number Nine

ラブ・ポーション・ナンバー・ナイン  

ボクは悩みをマダム・ルーのとこに持って行った
ほらあのジプシー女だよ 金歯している
アパートが34番街とヴァインの交差点にあって
売っているのが小瓶の 媚薬No9

ボクは言った「女のコと からきし縁がないんです。
 この状態は1956年からなんです。」
マダムはボクの掌を見て まじないをして
言った 「あんたが必要なのは 媚薬No9」 

マダムはかがんで 振り向いて ボクにウィンクして
言った 「この流しで作ってやるからね」
臭いはテレピン油 見た目は墨汁
ボクは鼻をつまんで 目を瞑って 一口飲んだ

昼だか夜だか わからなくなって
キスをし始めた 目に見えるもの何にでも
でもお巡りさんに 34番街とヴァインの交差点でキスしたとき
小瓶を割られてしまった ボクの媚薬No9

ボクは鼻をつまんで 目を瞑って 一口飲んだ

昼だか夜だか わからなくなって
キスをし始めた 目に見えるもの何にでも
でもお巡りさんに 34番街とヴァインの交差点でキスしたとき
小瓶を割られてしまった ボクの媚薬No9

媚薬No9
媚薬No9
媚薬No9

3. Tomorrow's Love ・・・The Travelers

自作曲として、発売されたが、オリジナルは、The Travelers の "Spanish Moon" で、盗作問題を避けるように、米国、英国等のアルバムでは米国盤のファーストプレスに Tomorrow's Love が入っている以外、The Ventures In Space の 3.Love Goddess of Venus に代わっています。ただし、日本盤はレコード、CD共に 3. Tomorrow's Love が入っています。

4. Oh, Pretty Woman・・・Roy Orbison

「オー・プリティ・ウーマン」(Oh, Pretty Woman)は、ロイ・オービソンが1964年に発表したシングル。後にヴァン・ヘイレン等にもカヴァーされ、また、映画『プリティ・ウーマン』の主題歌にも起用された。
ロイ自身とビル・ディーズの共作で、ロイの妻のクローデットにインスパイアされて作られた。本作は大ヒットを記録し、本国アメリカでは、Billboard Pop Singlesで1位を獲得。ロイにとって通算2作目にして最後の全米1位獲得シングルとなった。イギリスでも通算3週に渡って1位を獲得。


6. When You Walk In The Room ・・・Jackie De Shannon / The Seachers



プロデューサーは、Dick Glasser(=The Ventures)




サーチャーズの「ピンと釘」やキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」などの大ヒット曲のライターとして知られる、ジャッキー・デシャノンの作品です。この曲は再びサーチャーズが6枚目のシングル曲としてカバーしており、全英3位の大ヒットとなっています。
ジャッキーの最初の大きな話題は1963年に名曲「Needles And Pins」を世に出したことでしょう。ジャック・ニッチェソニー・ボノのペンによるこの曲は後にフォーク・ロックの源流と呼ばれることになります。ジャッキーのオリジナル・ヴァージョンは全米84位までしか上がらなかったのですが、イギリスのサーチャーズがカヴァーして見事に全英ナンバーワンに押し上げています。サーチャーズは続いてジャッキーの自作曲であり、やはりフォーク・ロック的なニュアンスを持った「When You Walk In The Room」もカヴァー・ヒットさせています。
サーチャーズのカヴァーによってジャッキーは本国よりもむしろイギリスで注目を浴びるようになります。この為、この時期のジャッキーは若き日のジミー・ペイジや、彼女同様にイギリスで注目されていたシャロン・シーリーと協作したり、マリアンヌ・フェイスフルに楽曲を提供したり、ビートルズの全米ツアーの前座に起用されたりといった具合に、イギリス絡みの活動が目立っています。
1975年に発表された『New Arrangement』には他の歌手のカヴァーによって有名になった曲が2つ収録されています。ひとつはカーペンターズによるカヴァーで知られる「Boat To Sail」です。この曲はブライアン・ウィルソンに捧げた作品としても有名で、ブライアン自身が当時の妻であるマリリンと共にバック・ヴォーカルで参加しています、もうひとつの曲は後にキム・カーンズがカヴァーして全米No.1に押し上げることになる「Bette Davis Eyes」です。このカヴァーによってジャッキーはグラミー賞のソング・オヴ・ザ・イヤーを受賞しています。

ねえ、まるで夢みたいだ
君とこうして二人並んで歩いてるなんて
どんなに君を想っているか
言葉にできたらいいんだけど
君を見つめるだけで精一杯

僕の顔は喜びに満ち
胸には、燃える想いであふれている
素敵なギターの調べまで聴こえてくるようだ
君が部屋に入ってくる度に…

ちょっと目を閉じて
君が僕を好きなんだと想像してみる
君に気がない振舞いの一方でね
夏の夜の、神秘的な月を眺める気分になるんだ
君が部屋に入ってくる度に…

思わずドキドキしてしまうんだ
誰かが君の名前を呼ぶ度に…
“僕は恋してる”ってトランペットが教えてくれる
君が部屋に入ってくる度に…



7. Gone, Gone, Gone

エヴァリー・ブラザーズの「ゴーン・ゴーン・ゴーン」は1964年にアメリカで31位まで上がったヒット曲。日本ではヒットにはならなかった。

8. Slaughter On Tenth Avenue


元々は1936年のブロードウェイ・ミュージカル「On Your Toes(オン・ユア・トウズ)」の中で登場するバレエ曲でした。作曲はリチャード・ロジャース

9. She's Not There

1961年、キーボーディストのロッド・アージェントを中心にロンドン郊外のセント・アルバーンズで結成。「イブニング・ニュース」紙主催の「ハートビート・コンテスト」で優勝し、デッカ・レコードと契約。1964年にデビューを飾り、1stシングルとして発表された「シーズ・ノット・ゼア」(She's Not There)がヒット(全英12位・全米2位)。当時のブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗ってアメリカにも上陸し、1965年には「テル・ハー・ノー」(Tell Her No)(全英42位・全米6位)をヒットチャートに送り込んだ。


12.Shala La


これも英国のマンフレッド・マンのヒット曲のカバー。オリジナルは、黒人女性ボーカル・チームのシュレルズが1964年に歌った曲。ちなみに『ドゥ・ワ・ディディ・ディディ』は、The Excitersがオリジナル。