54回目の曲目


ベンチャーズの特集です。

1.The Real McCoy (Version 2)
2.Cookie & Coke (Version 2)
3.Walk,Don't Run (Johnny Smith edit)
4.Walk,Don't Run (Chet Atkins edit)
5.Walk,Don't Run (The Ventures)
6.The McCoy
7.Sugaree
8.Night Run / The Marksmen
9.Scratch / The Marksmen
10.Memphis (alt.version)
11.Hot Pastrami
12.My True Love / The Moon Stones
13.Love Call / The Moon Stones
14.Black Tarantella
15.The Savage
16.Candy Apple Racer
17.Spanish Moon / The Travellers



1.ザ・リアル・マッコイ
2.クッキー・アンド・コーク




デビューですが1959年にドン・ウイルソンの母親が作ったブルー・ホライゾンというレーベルから「ザ・リアル・マッコイ/クッキー&コーク」という曲でシングル盤を出します。どちらも2ヴァージョン存在しています。かけるのはヴァージョン2のほうです。大きな違いはありませんが、よりベース音が強調されています。ボブ・ボーグルのリード・ギター、ドン・ウイルソンのリズム・ギターとボーカル、そして、ジョージ・バビットのドラム、アール・ハーバートのベースというメンバーです。500枚プレスしたようですが、全く売れませんでした。
ヴァージョン2は、1991年に発売された、PENDLETON RECORDS,CHIGASAKI.のCDからです。


3.ウォーク・ドント・ラン(Edit)・・・ ジョニー・スミス
4.ウォーク・ドント・ラン(Edit)・・・ チェット・アトキンス
5.ウォーク・ドント・ラン・・・ ベンチャーズ





大ヒットとなる「ウォーク・ドント・ラン(急がば廻れ)」です。同じくブルー・ホライゾンからの2枚目で、今度は300枚のプレスでした。これがローカル・ヒットして、結果、リバティー。レコードの参下のドルトン・レコードからメジャー・デビューする事になりました。1960年7月18日にビルボード誌、初登場88位、8月29日のは、第2位まで上がるヒットとなりました。ボブ・ボーグルのリード・ギター、ドン・ウイルソンのリズム・ギター、ノーキー・エドワーズのベース、そして、スキップ・ムーアのドラムです。
この曲は、ジャズ・ギタリストのジョニー・スミスがオリジナルですが、ベンチャーズは、聞いたことがなく、この曲をカバーしたチェット・アトキンスの「ハイファイ・イン・フォーカス」というアルバムを参考にしました。では、さわりだけですが、ジョニー・スミスとチェット・アトキンスを聴いてください。それとベンチャーズの演奏も聴いて下さい。
日本で最初に発売されたのは、東芝からではなく、日本ビクターからです。1960年11月にTOP RANKというレーベルで発売されました。英国経由です。ベンチャーズ・レコード・コレクター最大の難関の1枚です。東芝から出た最初のシングルは、63年3月の「ロコ・モーション/リンボ・ロック」で、「ウォーク・ドント・ラン(急がば廻れ)」は、64年3月の発売です。

6.ザ・マッコイ


ブルー・ホライゾン盤とドルトン盤は同じ音源で、B面は「ホーム」という曲でした。発売後にB面を「ザ・マッコイ」という曲に置き換えて、レコード番号もDOLTON-25から25Xにして発売しました。これは、自作曲をB面にして印税を稼ぐ目的だったようです。この曲は、デビュー曲の「ザ・リアル・マッコイ」タイプの曲ですが、ヴァージョンは違います。デビュー・アルバムにも入っていますが、これともヴァージョン違いです。この曲名からリック・デリンジャーがマッコイズというバンド名を付けました。この曲のリードギターはもしかするとドン・ウィルソンかも知れません。


7.シュガーリー


1960年の録音で、ラスティー・ヨークのヒット曲です。歌っているのは、ドン・ウイルソンではなく、レックス・アンバージーという人です。最高にかっこいい曲で、リード・ギターはノーキー・エドワーズだと思います。 日本のバンド、シーナ&ロケッツもやってますね。

8.ナイトラン・・・ マークスメン
9.スクラッチ・・・ マークスメン

1962年録音のマークスメンというバンドですが、これは、ノーキー・エドワーズジーン・モールズというギタリストとのユニットです。シングル盤1枚ですが、ブルー・ホライゾンから出ています。ベンチャーズに関して、この60年から63年あたりが非常にミステリアスな所があります。
61年には、アルバムが3枚、62年には、4枚、63年には、5枚といくらインスト・バンドとはいえ、ものすごいレコーディング数です。ノーキーが一時的にメンバーから外れた62年のアルバムは多くのスタジオ・ミュージシャンがレコーディングに参加しているようです。まずは、トミー・オールサップというギタリストですが、バディー・ホリーのバンドのクリケッツのギタリストです。ドラムのジェリー・アリスン、さらにビリー・ストレンジ、ビル・ピットマン、デビッド・ゲイツ、トミー・テディスコ、グレン・キャンベルというギタリスト、ドラムのハル・ブレイン、ベースのレイ・ポールマンなどが参加しているようです。
「ナイトラン」は、のちに「ラップ・シティー」の名で再録されるブラームスの「ハンガリア舞曲第5番」です。「スクラッチ」は、ベンチャーズ名義でも再録していますが、ヴァージョンはもちろん違います。

10.メンフィス

63年に出た「レッツ・ゴー」というアルバムですが、これもなかなかミステリアスなアルバムです。米国盤の裏ジャケにVOCAL BACKING BY THE VENTURES & THE MOONSTONESと書かれています。まずは、アルバムの1曲目です。元々はチャック・ベリーの曲ですが、ロニー・マックという白人のギタリストがインスト曲としてヒットさせた「メンフィス」です。ロニー・マックは、フライングVというギターをトレードマークとしていました。アルバムのテイクとは違う曲です。ドラムは、ホゥイー・ジョンスンでもメル・テイラーでもありません。ギターもノーキー・エドワーズではないような気がします。

11.ホット・パストラミ

アルバムに収録されているヴォーカル曲です。これは、ダーテルズというバンドの曲ですが、ベンチャーズのヴァージョンはオリジナルを超えています。ただ、これがムーンストーンズだと言われてもよくわかりませんね。おそらく黒人女性歌手だと思いますが、名前が解りません。演奏もいいです。

12.マイ・トゥルー・ラヴ ・・・ムーン・ストーンズ
13.ラヴ・コール・・・ ムーン・ストーンズ


ウルトラレアなSP盤(フィリピン製)


アルバム収録ではなく、シングル盤です。ムーンストーンズ名義で発売されました。A面とB面の両方です。A面は、Don Wilson-Bob Bogle B面は、プロデューサーのDick Glasserの作曲です。

14.タランチェラ


「メンフィス」とカップリングで出されたテスト・プレス盤にしか米国ではなく、映画の主題曲らしいのですが、ブラジルとイタリアとスペインで発売されています。

15.ザ・サベージ

63年に米国でシングル発売された曲です。日本では、出ませんでした。英国のシャドウズの曲として知られています。曲名からバンド名とした日本のGSがありました。この曲は、なかなか素晴らしく、特にメル・テーラーのツッコミ気味のドラムが迫力です。演奏そのものがシャドウズを超えています。どうして発表しなかったのでしょうかね。

16.キャンディー・アップル・レーサー

シングル「青い渚をぶっとばせ(キックスタンド)」のB面で出された曲です。ベンチャーズのアルバムには未収録です。日本では、オムニバス・アルバムの「ボス・ギター」に米国では、「シャトダウン&ヒル・クライム」にステレオ録音が収録されました。ステレオとモノでは、回転のピッチが違い、キーが違っています。ステレオ録音です。

17.スパニッシュ・ムーン ・・・トラベラーズ

65年に発売された永遠の名盤「ノック・ミー・アウト」に入っている「トゥモローズ・ラヴ」です。米国盤には、ファーストプレス盤のみに入っていますが、その後は、「イン・スペース」に入っている「ラヴ・ゴッデス・オブ・ヴィーナス」に入れ替わっています。この曲はトラベラーズというバンドの『スパニッシュ・ムーン』という曲のコピーのようです。レコードは日本では発売されていなく、アメリカ盤のシングル盤を苦労して探しました。聞いてみると、出来は歴然としています。ベンチャーズのほうが完成度が高く日本で人気の高い曲であるとの理由も納得できます。ただベンチャーズの連中はこの曲のことを話題にするのを避けています。