XTC  Part Ⅱ

シングル、EP盤に続きLP盤の紹介です。
DRUMS & WIRES ・・・ JAPAN '79/9/25

残念ながら、デビュー・アルバムのWHITE MUSICと2枚目のGO 2は持っていない。
英国盤にはA-3にDay In Day Outが入っているが、この日本盤にはLife Begins At The Hopに差し替えられている。

DRUMS & WIRES ・・・ USA PROMO COPY '79/8/?

この米国製プロモ盤の曲順はオリジナルとは違う。
BLACKSEA・・・ JAPAN '80/10/21


BLACKSEA ・・・JAPAN PROMO '80/10/21

英国初版と日本盤には外袋が付属する。内容的にも傑作!!!
BLACKSEA ・・・USA '80/10/?

米国盤は外袋のデザインが違う
LIVE & MORE・・・JAPAN '81/4/21

日本独自の編集によるミニLP
ENGLISH SETTLEMENT・・・UK '82/2/12



英国初版はジャケ全体がエンボス状でタイトルは地の緑色



英国セカンド・プレス版は全体がエンボス状でタイトルは白色
ENGLISH SETTLEMENT・・・JAPAN '82/4/12



日本盤はヒルフィギュアとタイトルが浮き出し状だが地はフラット
ENGLISH SETTLEMENT・・・GERMANY '?/?/?



ドイツ盤の後期プレス盤は浮き出し状ではなく、タイトルは黒文字、ヒルフィギュアは白色

前作 Black Sea で New Wave/Post Punk Band の集団から一歩抜け出した XTC。そして彼らはこの作品で一つの頂点を極めます。
アルバムタイトル、そしてジャケットに描かれた Uffington White Horse は彼らのホームタウン Swindon 近郊の丘 (Chalkhills) にある地上絵。正にイギリス人としてのアイデンティティーを強烈に意識したアルバムであり、これまでとは一線を画する大作となりました。
XTC、特に Andy Partridge のキャリアで最も重要なアルバムは何かと聞かれたら、この English Settlement を挙げます。一般的にもこの作品を最高作とする人も多いです。その理由の一つに、前作から徐々に演奏よりソングライティングへの興味と自信を持った Andy の作家的衝動が完全開花した作品と言えるからです。そのことは、前作に顕著だったライブ感がかなり薄れ、ライブでの再現を前提としない緻密な作品が増えてきたことからも明らかです。
このアルバムの発表直後に、Andy の神経失調を理由としてライブ活動が停止されますが、それもそうした意味で必然だったのでしょう。その後しばらくは体調と精神面の不調が原因での低迷状態に陥るのですが、この作品の時点ではまさしく XTC に訪れた最初の音楽的ピークです。
「Ball And Chain」と「No Thugs In Our House」の力強さ,「Senses Working Overtime」の 'Good Vibrations' を思わせるような上昇感,「Jason And The Argonauts」のあまりにプログレッシヴで凄まじいグルーヴ,「Yacht Dance」と「English Roundabout」のアコースティックかつラテン的なニュアンス, 「It's Nearly Africa」のエレクトリックなアフロビート、「Knuckle Down」の伸びやかさ,「Snowman」のユーモア,「All Of A Sudden」のメランコリー。名曲のオンパレードです。Andy の屈折しつつスケールの大きな作品、Colin の曲のキャッチーでコンパクトな魅力。作家性の違いも完全に確立された観があります。
サウンド面でも、アコースティック・ギターと12弦リッケンバッカー、フレットレス・ベース、プロフェットV、ドラムシンセサイザーなど、これまでに無かった音色が数多く導入され、アルバムの豪華さを引き立てました。Black Sea との対比では、強烈なドラム・サウンドが後退してアコースティック度が強まったこと、更にワールド・ミュージック的作品(当時はエスニック・サウンドとか言われてました)がより緻密でテクニカルになったことが特徴として挙げられます。
そしてこの頃の彼らのポテンシャルの高さは、アルバムから洩れたシングルのB面群からも伺えます。「Senses Working Overtime」と「Ball and Chain」の両7"シングルにカップリングされた4曲はアルバムに入っていてもおかしくない程でした。これらを最初に聴いたのは Beeswax ででしたけど、特に「Blame the Weather」と「Tissue Tiger」には感激しましたね。この人達は、アルバムにあれだけの曲を詰め込んでおいて、更にシングル・オンリーの曲でもこんなに凄いのかと。それ以来XTCのシングルは見逃せなくなってしまいました。そう言えば XTC マニアが現われたのもこの頃からですね。
当時、XTC サイドからの要請で日本盤はアルバムから数曲を選出した一枚物として出されました。

ヒルフィギュア(英語: hill figure)とはイギリスの石灰岩の丘陵地帯に画かれた地上絵である。英語では"chalk figure"、"hillfigure"、"chalk carving"、"chalk horse"、"white horse"など様々に呼ばれる。日本語ではヒルフィガー、丘絵、ホワイトホースとも訳される。上空からではなく、向かいあった斜面や遠方など地上から見ることを意識して作られている。有名なヒルフィギュアに「アフィントンの白馬」「サーンアバスの巨人」「ウィルミントンのロングマン」などがある。

イギリスの丘の斜面には、多くのヒルフィギュアが刻まれている。南部に集中しているが、北部にも存在する。題材は馬が最も一般的で、人や動物、十字架や紋章などもある。よく古代遺跡と勘違いされるが、実際にはほとんどのものが18世紀以降の作である。例外として「アフィントンの白馬」は青銅器時代作とされる。製作動機は多様で、はっきりとしないものも多い。宗教的なもの、記念碑として、政治目的、広告のため、などが考えられている。現代でも記念や看板として新しく製作されることがある。

アフィントンの白馬アフィントンの白馬(Uffington White Horse/Uffington Horse)は、様式化された線で画かれた馬のヒルフィギュアである。長さ110メートル。イングランド南部、ウォンテジの西方約8 km、鉄器時代の砦跡(Uffington Castle)のある丘の斜面に刻まれている。馬の図は、北の方角、特にグレイトコックスウェル村から、最もよく見える。

1994年の考古学調査時に行われたOSL年代測定結果から、約3000年前の青銅器時代から存在しているとされている。またこの周辺には多くの先史時代の遺跡が存在している。

この馬のヒルフィギュアは、丘の砦に関係する部族のシンボルではないかと考えられている。デザインはケルト人のコインを模しているという説もある。最近の説では、街道の通行者に馬を宣伝するためのものだったともいわれる。地元の人々の間では何世紀もの間、ゲオルギウスが殺したドラゴンの図だと思われていた。

長年、伝統的な祭の一環として、7年ごとのヒルフィギュアの手入れが続けられていたが、19世紀後半からは地元による定期的な管理が行われなくなり、図が不明瞭になっていったため、現在はイングリッシュ・ヘリテッジによる保存管理が行われている。
MUMMER・・・JAPAN '83/9/21

THE BIB EXPRESS・・・JAPAN '84/12/21

SKYLARKING・・・UK '86/10/27

ORANGE & LEMONS ・・・USA '89/2/27

米国盤 未開封のためレーベル不明
APPLE VENUS・・・UK '98

APPLE VENUS VOL.1 HOME DEMOS・・・UK '99

APPLE VENUS VOL.2 WASP STAR・・・UK '00

販促用DM

THE WASP STAR HOME DEMO・・・UK '01
THE DUKES OF STRATOSPHEAR 25 O'CLOCK・・・'85/4/1

変名のサイケ・バンド
SKYLARKING 12inch*2 45rpm REMASTERED VINYL・・・UK '10

これは…。男女の陰毛と川辺の草花だそうです。

1986年のリリース時、アンディの「チャタレイ夫人っぽいきわどさ」というアイデアのもとにこのデザインはできあがっていたものの、小売店に持って行って市場調査してみたところ、評判は散々、販売拒否するチェーン店もあらわれる始末で、Virginの重役会議で大論争の末にボツが決定、リリース直前に今のイラストバージョンのアートワークに差し替えられた、という経緯があります。

この再発は180g仕様のアナログ盤2枚組(45回転)という高音質仕様です。CDでのリリースは無いようです。なんでも、過去のマスター音源にステレオ位相関連のエラーがあったことが今回のリマスタリング作業中に発見されて、それを改善したところ、音質は「過去のものより約30%良くなった」そうです。

ポップである反面、Andy は自身のもう一つの側面であるラジカルな楽曲が Todd により候補から全て外されたことに多いに不満を持っていたようです。そうした曲が「XTC Home Demos」として後に公開されるのですが、これがその後の「XTC デモ音源開陳大会」のきっかけともなりました。また、Andy とは対照的に Colin が候補に挙げた曲が全て採用されたことも、Andy に不満を募らせることともなり、Andy と Todd の対立、更には Colin との対立を生んでしまい、レコーディングの風景は音楽の内容とはかけ離れた苛酷なものだったようです。
 自分の理想とはかけ離れた作品が出来上がったことで、当初 Andy は本作を失敗作と決めつけていましたが、皮肉にも世間の反応は全く逆転し、特にアメリカでは後述の理由により XTC は久々に商業的な成功を手にすることができました。ただし母国では全く売れなかったようですが。いずれにせよ、Dukes と『Skylarking』とで、再び XTC は活気付きました。
 評論家からの受けも良く、Rolling Stone 誌の1980年代ベスト100アルバムの1枚に Skylarking の名があります。また、日本でもそれまでに無いほどの高い評価を得ました。 (English Settlementの時は雑誌「ミュージック・マガジン」の年間ベスト10では一人も挙げていなかったにも関わらず、Skylarking の時は実に8人も挙げてました。中村とうよう氏までも! )
 ところで、元々アルバムに入れる予定だった「Dear God」は、Virgin サイドと Andy の反対により「Another Satellite」に変更されて発売されました。しかし米国で Single「Grass」のB面に入られていたこの曲がカレッジ・ラジオから火が付いてヒットしたため、米国盤 Skylarking では曲の差し替えが行われました。私などは何も「Mermaid Smiled」を抜かなくてもと思ったのですが。
 なお、日本盤での「Dear God」の登場は、1995年発売のシングル集 Fossil Fuel まで待たねばなりませんでした。今や名曲の名を欲しいままにしている歌にしては、なんとも数奇な運命を辿っています。

レコードは未開封のため未聴です。CDでの発売はないので、こんなコピーCDで聴いていますが、素晴らしい音質で、違うアルバムを聴いているようです。